目の前の幸運を大切にする

6年前から漢方を飲んでいる。
効果は
気分が落ち着くことと、
よく眠れること。
病院の先生が
初診で処方してくれたもので、
これが一発で効いた。
夜、夢をほとんど見なくなって
泥のように
眠れるようになったことで
気分がかなり安定したし、
朝起きるつらさが軽減されて
めちゃくちゃびっくりした。
30数年気づかなかったが、
私は眠りの質が
悪かったのだ。
でもふとある時、
先生に聞いてみた。
「こんなに飲み続けていて
大丈夫なんでしょうか。
薬を減らすとか、
ほかに合う薬を探してみなくて
いいんでしょうか」
薬ってよく
依存性があるとか
効きすぎているとか、
心配になる話を
聞くことがあるからだ。
「大丈夫ですよ。
自分に合う漢方を
見つける方が大変なんです。
こんなにすぐ合うものを
見つけられたことは
とてもよかったっていう
ことなんです」
なるほど。
体に合ったっていう幸運が
すべてなんだから、
ほかを探したり
心配になったりする必要はない。
これは漢方以外でも
言える。
すでにいいものや
大切なものが
見つかっているのに、
すべてを探してみないと
気が済まない。
例えば
引っ越しを考えている時の
部屋探し。
いま見た部屋が
条件に合致しているのに、
明らかにそれより
条件が悪いものまで
内見しようとするとか。
自分の居場所でもそう。
居心地がいい人に
囲まれているにも
関わらず、
自分とはまったく
性格や趣味の違う
人たちの輪まで
のぞいてみたくなるとか。
自分と明らかに
合わないものまで
探ってみるなんて
無駄な労力。
それよりも、
いま目の前にある
大切なものに
感謝すること。
もし合っていたものが
だんだん合わなくなってきた時に、
少ーーーーしずつ
別の世界を探ってみるのが
いいだろう。
これも漢方から学んだことだ。
飲み始めた時は
1日3回飲んでいたが、
体調や睡眠の深さに合わせて
1日2回や1回に、
自分で調節することを覚えたのだ。
自分に合うものが
見つかったことが奇跡。
そうやって
いま手にした幸せを
素直に大事にしていく。
そんな生き方に変えていきたい。