ひとりごと

子どもは勝手に成長していく

松本真実

この春、
下の娘が
小学校に入学した。

上の息子は
6年生。

息子は春休み中に、
入学式には
在校生が出席できないので
自分だけ留守番を
しなければならないと知り、
嫌だ嫌だと
言い出した。

大の怖がりで、
留守番が苦手な息子。

泥棒が来たらどうするの?
地震が起きたら?

不安がる息子の質問には
丁寧に答えて
気持ちを落ち着かせる。
取り越し苦労ばかりするのは
私に似てしまったのかも。
まだ不安を口にしている
うちはいいけれど、
機嫌が悪くなったり
泣き出したりすると
もう手に負えない。

無事入学式に
行けるんだろうか。
私も取り越し苦労をしながら
春休みを過ごした。

するとこの春休み中に
思いがけず
息子に変化が起きた。

箱から登場する
妹の真新しいランドセルや
学用品。
私の危ういミシン操作で
なんとか形になっていく
給食袋、ランチョンマット。

娘の入学グッズが
家にあふれかえっていくと
同時に、
息子が兄貴風を吹かせ始めた。
わがままをあまり
言わなくなったり、
学校の決まりや過ごし方を
娘に説明したり。

そしてなんといきなり、
留守番ができるようになった!

これまでは20分ほどが
限界だったのに、
「2時間?別にいいけど」
なんて言い出した。

なんだ、
子どもにはそれぞれ
成長するタイミングがあるんだ
と気づいて
肩の力が一気に抜けた。

こうして
入学式を迎えた時には、
息子は
悠々自適に過ごせる
留守番の時間が
大好きになっていた。

子どものことになると
心配になって
つい口うるさく
言ってしまうけれど、
子どもは勝手に
成長するものだと
気づかされた。
親として
教えられることなんて
じつはほんの
一握りくらいなのだろう。

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