読んだ本

そのままでもいいんだと安心感をもらえた「文章を書いて、生きていきたい」

松本真実

2024年1月から、ライター・エッセイストの江角悠子さんが主宰する
「京都ライター塾」に、10期生として参加することにした。

その資料として、江角さんが執筆された
「文章を書いて、生きていきたい」
「わたしは、まじめちゃん。」
この2冊を送っていただいた。

江角さんの事を知って4ヶ月。
ブログやメルマガを読んでその文章に惹かれてちょうど買おうと思っていたところだった。
2冊も送ってくださるなんて、太っ腹!!
江角さんがいるであろう方角に感謝の念を送りつつ、まずは「文章を書いて、生きていきたい」を読んだ。

読み進めるうちに、なぜ私が江角さんの文章に惹かれたのか、ということがわかってきた。

江角さん、めっちゃ優しい!!
表面的に優しい事を書こうと思って書いたという文章ではなく、優しいからこそ書ける言葉が綴られていて、私はそこに惹かれたことに気づいた。

江角さんは文章が書けなくて悩む人に向けて、目線を合わせてくれる優しさがあると思う。
江角さんほどのベテランライターでもこんな事を感じていたのか!と驚いたが、書くことに対する恐怖、恥ずかしさなどが冒頭からさらけ出されている。
それはまるで、自分の文章に自信が持てない私の心の中を読まれているようでもあって冷や汗をかいたが(笑)「自信が無くても大丈夫」と言ってもらえている気がして、安心感が湧いてきた。

ご自身の失敗談が書かれてあるのもすごい。

良かれと思って仕事を引き受けすぎて怒られた話。
無理しすぎて肺炎になった話。(罹患回数に驚愕)
1ヶ月100記事アップに挑戦して惜しくも達成できなかった挫折感。(私なんか挑戦もしてない)

それらはすべて、江角さんが真面目で繊細であるが故に起こってしまった出来事。そこから得た教訓も添えられている。
普通自分の失敗は隠したいものなのに、読者のためにここまでさらけ出して「失敗したって大丈夫」と、目線を合わせてくれている感じがする。やっぱり優しいし、強い。

ウォーキングを習慣化するための「21日間チャレンジ」のエピソードが私は好きだ。
公園で汗水垂らして頑張る人の姿ではなく、おそらく汗水垂らしているであろう人の自転車が、毎日ただ駐輪場にあるのを見て「私も頑張ろう」と励まされる話。
ただの自転車から「私は私のまま存在すればいい」という気づきにまで持っていく空想力が大好きだ。

自分に置き換えると、それは洗濯物。
私はなにかとスローペースなので、毎朝私が洗濯物を干そうとベランダに出る頃には、隣のおばあちゃん、お向かいのママ友たちはすでに干し終わっている。風に揺れて乾きつつある洗濯物を見る時「ああみんな今日も元気そうだな、私も頑張ろう。」と思うし、干していないとちょっと心配になったりする。

私もそんな空想力を高めて、幸せになる気づきをたくさんできるようになりたいと感じた。

江角さんの魅力が詰まった「文章を書いて、生きていきたい」
ライターを目指している人にも、そうでない人にも、幸せになるヒントが散りばめられていておすすめしたくなる、素敵な一冊だった。

江角悠子さんのホームページ
京都くらしの編集室
京都くらしの編集室
記事URLをコピーしました