人生の答え合わせをさせてもらえた「わたしは、まじめちゃん。」

江角悠子さんの「わたしは、まじめちゃん。」を読んだら、人生の答え合わせをさせてもらっているようだった。
江角さんの文章は、ご自身の繊細な心のおかげで生じた悩み、苦しみがとても具体的に書かれていて共感できるし、現在進行形のものもあってとてもリアル!その悩みから得られた江角さん自身の「こうすればよかったんだ」という気づきまでが納得しやすい。
江角さんご自身の体験を通して、私自身の心をのぞいてみて、「ああ私もこういうことあるわ。そういう考え方が原因だったのか!」とハッと気づける。だからとても心に響くと私は思う。特に繊細な人にはなおさらである。
中には自分で体験していないこともあるし、そこまで思いを深めて考えていないこともあり「なんか嫌な気分だなあ」で終わっていたことについて、「心の奥底ではこういう感情が渦巻いていたのか!」という気づきにまで持って行ってもらえる。深層心理のようなところまで。
特に私にとっての大発見は、江角さんのインタビュー経験から導き出された「機嫌の悪い人の機嫌を取らない」こと。これはすごい。
私の人生、人のご機嫌うかがって30年、巻き添え食らって心身打撲数えきれずという感じなので、これはぜひとも日常生活で試してみたいと思った。実はここ数年、人に振り回されるのが本当に苦しくなってしまい、小学校のPTAを退会したり、友達と距離を取ったり、人と接することから遠ざかってしまっていた。もしこの技を使って自分なりにうまく接することができれば、またいろいろな交友関係を築けるかもしれない。早く機嫌が悪い人に会いたくなった。
もう一つ、本を読んでなるほど!と思ったことがある。
それは息子についてのこと。
うちの息子は小5だが、とにかく小さい頃から正義感が強い。
ルールは絶対守るべきだとか、輪を乱すような振る舞いの子を受け入れられず体調を崩してしまうとか。間違ってはいないのだけれど、このままでは人生が苦しくなってしまう気がして、親としてはもう少し柔軟な考え方になってほしいと現在進行形で悩んでいる。
そんな中「最後に生き残るのはまじめちゃん」の項目を読んで、礼儀正しさを大切にしようと伝えていけばいいのではないかと思った。
礼節ある態度を身につけることはもちろんプラスになるし、人の話をよく聞くことや、他人の良さを認めることは、柔軟さにも繋がると思う。無礼な人というのも見極めて、距離感の取り方を学べばかなり気が楽になるだろう。(理想が高すぎ)
まだまだ凹凸はあるけれど真面目な方ではないかと思う息子が、うまく生きていける術があると思うと希望が持てた。
「わたしは、まじめちゃん。」
気持ちが落ち込んだ時の支えになってくれるような、とても素敵な一冊だった。
